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ニューストピックス

2019年4月


アセットビジネスレター編集部が独自に選んだ主要ニュース(出典:日本経済新聞)は、

◎米国、長短金利逆転、FRB、姿勢転換で思惑交錯
◎トランプ陣営、共謀認めず、ロシア疑惑
◎対ファーウェイ、米と溝、EU、5G採用は各国の判断
◎広がる地価上昇、持続力を問う です。


<編集部の考察>

◎米国、長短金利逆転、FRB、姿勢転換で思惑交錯
米債券市場で、期間10年の金利が急低下し、3か月物を下回る「長短逆転」現象が起こりました。2007年8月以来、11年半ぶりのことです。不況の前兆とされる動きで、景気への不安感を増幅しています。
市場では様々な憶測が飛び交って、いびつな金利形成が目立っています。米10年国債の利回りは3月22日、一時、2.41%まで低下しました。この結果、3か月物金利、2.46%を下回りました。通常、貸し借りの期間が長い金利が高くなります。将来の成長に伴う金利上昇が想定されるほか、貸倒れリスクも高まるためです。
過去50年間、米国では10年と3か月の逆転状態が、10日続いた場合、平均で、311日後に、景気後退が始まるというデータがあります。今回は、FRBが年内の利上げを見送ると発表した直後の現象で、一概に、不況の前兆と断定するには時期尚早ですが、注視するべきです。FRBは、もっと市場との対話を重視し、いびつな金利形成の払拭に全力を注いで欲しいものです。
予想通り、3月25日、先週末のNY株式市場の流れを受けて、日経平均株価も今年最大の下げ幅となりました。
今後も、投資家のマインド変化には、気を配る必要がありそうです。


◎トランプ陣営、共謀認めず、ロシア疑惑
3月24日、バー米司法長官が、2016年米大統領選にロシアが介入した疑惑について捜査結果の概要を公表しました。内容は、トランプ大統領の選挙陣営がロシアと共謀したという事実を裏付ける証拠は見つからなかったというものです。トランプ氏が、疑惑捜査を妨害した疑いについては、捜査を担当したモラー特別検察官が認定の判断を避けたので、バー司法長官は、「証拠不十分」と結論づけました。この発表を受け、早速、トランプ氏は、「共謀なし。妨害なし。完全で全面的な無罪の証明だ」と述べ、自身の完全潔白を強調しました。
3月25日、今度はトランプ大統領は、反転攻勢に動き出しました。与党・共和党と連携し、FBIや民主党が、政治的思惑から共謀疑惑をねつ造した可能性を調査することです。来年に迫った大統領選をにらみ、民主党に打撃を与える狙いと思われます。


◎対ファーウェイ、米と溝、EU、5G採用は各国の判断
EUが、5G通信網構築で、ファーウェイなど中国企業の製品を排除するかを巡って米欧の溝が目立ち始めてきています。欧州委員会が、3月26日、加盟国に示した「勧告」では、米国が強く求めてきたファーウェイ製品の全面排除を見送りました。
米政府は、同社製品の採用は、同盟国間の軍事協力に影響するとけん制しており、通商問題などで対立する新たな火種になる可能性が高いでしょう。
日本では、携帯会社がいち早く同社の製品排除を明確にし、政府も2018年12月、情報通信機器調達での新指針を取り纏めています。
米中貿易戦争に加え、米欧貿易戦争が発生した場合の世界景気への影響が、憂慮されます。


◎広がる地価上昇、持続力を問う

<マンション販売、都心低調>
2019年の公示価格は、全国の全用途平均で、4年連続上昇しました。
上昇の波は確実に、地方にも広がりをみせています。一方、東京都心では高値警戒もあり、一服感も出ています。
首都圏では、東京23区より、近郊の好立地物件へ、相対的に需要が集まっています。例えば、高崎市やさいたま市などの高級物件です。
今後のマンションは、富裕層や高年収の共働き世帯など限られた消費者が中心の市場になるとの見方もあります。増税後の消費者心理も、どのように変化するか、しっかりと見極めて、的確な経営戦略を打ち出すことが、今、不動産業界に求められている喫緊の課題だと考えます。


<投資マネー、「消極的流入」>
投資マネーは、不動産市場へ今後も盛んに流れ込むという予測が出ています。
国内独立系の不動産ファンド会社によれば「日本の不動産に資金を振り向けたい投資家は依然として多い」とのことです。
マネーは、三大都市圏だけではなく、札幌・福岡などの地方都市にも拡大しています。
ある不動産サービス会社の調査では、18年10~12月の取引のうち、地方が占める割合は、34%で過去最高となったそうです。
物件の年間賃料収入を取得価格で割った投資利回りは、過去最低を更新し続けています。それでも投資マネーが集まる理由は、「超低金利」にあります。購入資金を調達する金利が投資利回りよりも低ければ、利ザヤが得られます。他で運用するよりましだという消極的な意識が見え隠れします。
例えば、東京の主要オフィスビルの投資利回りから長期金利を差し引いた利回り差は、2.8%。1%台のニューヨーク、2%台のロンドン・上海と比較しても大きいのです。
但し、前述の通り、消極的な流入のマネーである以上、逆回転が始まれば、損失リスクが高まることと、大手銀行の不動産向け融資は、不動産ファンドが中心なので、需給が緩めば、元利払いの延滞リスクに直面することを忘れてはならないでしょう。


<観光需要、地方にも波及>
国内の訪日客数は、18年に初めて、3千万人を超えました。恩恵は、おなじみの有名観光地から各地に広がりつつあります。例えば、長野県松本市や大分県日出町がここ数年、欧米からの観光客を惹きつけているようです。前者は、創建時の姿で残る国宝・松本城、後者は、歴史的建造物の復元と旧城下町の街並み整備で「本物」を求める観光客の心を掴んでいるそうです。
但し、忘れてはならないのは、インバウンド需要が、全ての都道府県に及んでいない事です。例えば、世界遺産に登録された長崎や古都として観光資源が豊富な奈良など11県が前年に比べて、外国人宿泊者数が減少したそうです。
今後も、都市部や観光地は、地価の上昇が続くと思われます。但し、インバウンド需要に依存しすぎるのではなく、各地域は、常に自力で魅力のある街づくりに取組まなければ地価の上昇は止まってしまう可能性もあります。