ASSETLEAD COLUMN

会長の社会・経済コラム(2019/5/15)

新元号「令和」で実現させたい本当の「和」とは



初めての大型連休10連休が明けて、1週間以上経過した。
連休中に新しい時代となり、平成天皇のご退位と今上天皇のご即位はメディアを通じて一大歴史イベントショーとして、国民の祝賀ムードを盛り立てた。一方10連休を利用した海外、国内旅行は過去にない盛況ぶりであった。相も変わらず、こんなときでないと旅行出来ない国民の、一斉に群れをなして同じ行動をする、同類・同調の国民性がいかんなく発揮されている。
これは「働き方改革」ではなく、まず「休み方改革」の必要性が考えさせられる。

新しい元号は「令和」である。「和をもって、貴しとせよ」という聖徳太子の教えの自立的な精神ではなく、「和を守れ」というお上の押し付け精神ではだめなのである。あくまで論語の「和して同ぜず」の精神でないと、この国の未来展望は開けないと、改めて思うのである。その点、この元号の由来に何か、日本国古来の文章にこだわるのも、滑稽な感じがする。

日本のアイデンティティはその様な狭量な意識からではなく、昔から「和魂洋才」であり「和魂漢才」であった。すなわち、開かれた海洋国家の時に花開く見事な国際性が、日本の成長性を促した。古くは倭の時代に遣隋使、遣唐使を通じて広く中国の先進文化と知識を巧みに取り入れ、それを日本独自に発展させていく「和魂漢才」の精神であり、明治の欧米文化を取り入れ、いち早く先進国に追いつく「和魂洋才」であった。「令和」が「うるわしき平和」に通じるには、ますます世界が閉鎖的に保護主義に傾くときに、自由貿易を掲げ、世界の平和の原動力となる開かれた日本を実現させる時代とするという意気込みがこの元号に含まれていくことを願うのである。

日本はある国際的な調査書によると「無視するほどの鉱物資源しか持たない国」と記載されているとのことである。資源を持たない国が戦後驚異的に成長して、世界第2位の経済国にのし上がったのも、自由貿易と自由競争のおかげである。海外の諸国といかに連携共同出来るかにかかっている。日本が民族性にこだわるときに、先の大戦や、江戸の鎖国など、世界の流れから脱落していくのである。

ダイバーシティ(多様性)、インクルージョン(包容性)が今や新しい資本主義を形成するミッションといわれてるなか、ますます「和をもって、貴しとせよ」という真の和魂の精神すなわち、「協調、協同、共生、共感であって、皆同じに群れて、同類で固まり、人種や性別、異なる意見を排除するような均一性になるな」ということである。

「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

(君子は人と調和することが出来るが、付和雷同して同調するわけではない。自分の考えを持ったうえで、協調するのだ。小人は同じことでかたまりたがるが、本当に理解の上で協調することが出来ない)

このような「和」の「令和」を目指したいものである。

 

飯塚良治(株式会社アセットリード 取締役会長)

オリックス信託銀行(現オリックス銀行)元常務。投資用不動産ローンのパイオニア。
現在、数社のコンサルタント顧問と社員のビジネス教育・教養セミナー講師として活躍中。