ASSETLEAD COLUMN

会長の社会・経済コラム(2019/1/18)

新年明けましておめでとうございます。



本年もアセットリードのビジネスレターよろしくお願いいたします。

新年から、私の若い頃から多大な影響を与えてきた人達の訃報が相次ぎました。

日本の旅行ジャーナリストの草分けである兼高かおるさん。この人の1960年代、1970年代のテレビ番組「兼高かおる世界の旅」にどれだけの国民が世界を知って胸躍ったことでしょう。まだ一般の人間が海外旅行などは夢の夢であった時代に、兼高さんは世界のいたるところを紹介し、日本人の多くは、世界はこんなにも素敵で多様であることを、知らされたことでしょう。これがきっかけでその後の1980年代からの日本人の海外旅行ブームを作ったといっても過言ではありません。

市原悦子さんは俳優座の役者としてその演技力は高く、数々の映画やテレビドラマに出演され主に名脇役として光を放ち続けました。このところ名脇役の俳優が相次いで亡くなり、平成も終わりであることを痛感させられます。昭和の終わりに美空ひばりさんや石原裕次郎さんというまさしく昭和の大スターを失ったように元号が変わるときは不思議と何か符牒が合うことがおこるものです。

日本の現在の哲学者としてトップであった梅原猛さんもお亡くなりになりました。そのユニークな日本の古代論はまさしく小説のドラマ以上に面白い説得力がありました。

一方、霊長類最強の女といわれた国民栄誉賞のレスリングの金メダリスト、吉田沙保里さんが引退会見で印象深い事を述べられました。今までの試合で一番心に残る試合はどれですか?という記者の問いに、先のリオのオリンピックで最後の優勝決定戦で負けた試合を上げました。今まで何十連勝と勝ち続け、最後に惜しくも金メダルを逃した試合ですが、銀メダルにもかかわらず、大泣きして、国民の皆様に申し訳ないと何度も言ってたことを覚えてます。この人にして、オリンピックの国民の期待はこれほど巨大な重荷を背負うのかと、大変、同情したものですが、彼女はこの試合で負けて初めて負ける側の気持ちが解ったと。負けてみて良かったと。負けてみないと勝者の奢りのままだったと、さすが、何事にも超一流の人間の言うことは重みがあると感心しました。

さて最後に、市川海老蔵さんが亡くなられた父の12代目市川団十郎の名跡を継いで、13代目団十郎を襲名するというニュースです。市川団十郎は歌舞伎界では江戸時代から続く、一番最高位の名跡で「成田屋」の屋号を持つように、成田山新勝寺との因縁を持つ、名家中の名家になります。以前の海老蔵さんであれば若くてやんちゃで無鉄砲という素材でしたが、六本木で酒の席で暴力事件を起こし、父に勘当同様に長く謹慎を与えられて、また最近では最愛の妻を乳がんでなくされて、この大きな苦しみと悲しみを経ることによって、人間としても成長し、何か人生の役者のオーラが形成されて来ているような感じを持ちます。人生の大きな機微を経験して一段と人間味のある味がでてくるものとして、この13代目の団十郎は花咲くのではないかと期待してます。

平成最後の新春は大きな転換点となるような予兆がありますが、まずは芸能ネタで、スタートととします。
 

飯塚良治(株式会社アセットリード 取締役会長)

オリックス信託銀行(現オリックス銀行)元常務。投資用不動産ローンのパイオニア。
現在、数社のコンサルタント顧問と社員のビジネス教育・教養セミナー講師として活躍中。