ASSETLEAD COLUMN

アセットリード会長の社会・経済コラム(2018/9/28)

災害列島ジャパンの住人としての必要な覚悟



災害がこれでもか、これでもかと襲い掛かる日本。世界的に見てもこれほど、災害の多い国は無いのではないだろうか。先人は多くの災害に見舞われながら、自然に対して恐れと、敬いを併せ持ち、自然に抵抗せずに、うまくそれを利用することによって、多くの困難を乗り越え、自然の恵みを広げていった。

今年の日本の災害を見渡すと、まず2月の「北陸福井、石川の豪雪」で1500台の車が3日も立往生して死者を出した。
4月には「島根県西部地震」の震度5強で1000棟の建物被害を出した。6月には「大阪北部地震」が発生し、小学校のブロック塀が倒壊し女子児童が死亡した。死者5人に建物被害は4万棟にのぼった。7月には「平成30年7月豪雨」が岡山、広島の中国地方、四国地方に未曾有の被害をもたらし、死者行方不明で230人建物被害は3万3千棟に及ぶ。8月には記録的猛暑が全国を襲い、熱中症の緊急搬送5万4千人。死者は133人に及び、気象庁も災害的猛暑と指摘した。

そして9月4日に日本に上陸した台風21号による被害である。ご存知のように関西国際空港は孤立し、関西に水害、風害で甚大な被害をもたらした。そこにこの前の9月6日の「北海道胆振東部地震」の発生である。厚真町で震度7を記録し、大規模な土砂崩れによる多くの犠牲者をだし、北海道全域が停電した。

ここでも言われたことであるが、想定してる活断層以外で発生していて想定外と言われた。災害が起こると想定外と言われ、マスコミは想定外とはとんでもない無責任だと、想定をするべきだったと責める。しかし地下の事を含め、今の異常気象もまだよくわからないことのほうが多いのである。全てが想定外であることが摂理なのである。先人はすべて起こることは想定外で、それが自然の持つ力であると覚悟していた。今の我々は科学の力を過信し、想定外とはけしからんと、備えに膨大な予算を使えと政治家も評論家もマスコミも論じる。

東日本大地震の津波を防ぐのにどれだけの堤防が必要だったか、その規模、金額を考えると途方もない数字になる。
全てを想定し、それに全てを備えるのは、そもそも不可能なのである。もちろんできる限りの備えは必要であるが自然はいつもその上を越えてくると、先人の自然に謙虚な心をみならいながら、ゆめゆめ、科学は自然を支配できるなどという思い上がりはしないことである。そもそも日本列島は大陸から巨大な力で引き離されて誕生した火山島や海底火山の集まりであり、まさしく天変地異によって誕生していることは今はよく知られている。地球そのものもそうである。我々が想定出来ないような地殻変動もこれからも起こり得るのである。

御嶽山噴火の被害からちょうど4年たち、先ほど63人の亡くなられた人の慰霊がおこなわれた。
まさしくそういう日本列島、地球に暮らしているのである。

飯塚良治(株式会社アセットリード 取締役会長)

オリックス信託銀行(現オリックス銀行)元常務。投資用不動産ローンのパイオニア。
現在、数社のコンサルタント顧問と社員のビジネス教育・教養セミナー講師として活躍中。