ASSETLEAD COLUMN

アセットリード会長の社会・経済コラム(2018/5/11)

東京一極集中こそ日本に残された成長戦略



地方創生は安倍内閣の重要政策の一つであり、東京一極集中を阻み、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を取り戻すことを目玉としている。

過去、経済対策(景気対策)と称して1990年以降昨年までの4半世紀に渡り約400兆円規模の財政出動が行われ、地方の公共事業や雇用、中小企業支援対策としてほとんどが使われてきた。さまざまな政策が時の内閣によって地方対策として行われてきたが、いつも地方バラマキで効果はほとんど見られない。いたずらに財政赤字を巨額にしただけである。少子高齢化で日本全体の人口が減少していく中で、東京圏だけが20数年人口が増え続けているのが地方衰退の元凶と目の敵にしている。もちろん選挙での地方対策からしても国会議員は口が裂けても、東京一極集中が唯一国際競争力を維持する基盤であるなんてことは解っていても言えるわけがないのである。

今世界は都市化に向かって急激に動いている。来るべきグローバリズムと技術革命の中での国際競争力はいかに国内に集中集積したコンパクトスマートシティを作り出すかにかかっている。2010年世界の都市生活者は36億人であった。2050年にはそれが63億人になると言われる。毎週130万人が都市に移動しているという計算になる。

世界経済は国家間の競争から巨大都市間の競争になると言われる。(サスキア・サッセン教授著の「グローバル・シティ」)

東京は我が国で最も豊かで活力にあふれ魅力を作り出す地域であり、ヒト・モノ・カネの全てが集積してくる。
これは経済市場が東京というコンパクトスマートシティを求めているからである。

東京対地方という対立の構図は非生産的である。なにも生み出さない。東京の競争相手は世界のニューヨークであり、パリ、ロンドンである。アジアの香港、シンガポール、北京、上海である。これらの巨大都市と比べても、東京の集積度は郡を抜いている。これが今の日本の競争力を支えている。東京の活力を削げば、日本が地盤沈下する。東京の稼ぎが、日本全体を成長軌道に乗せるのである。

飯塚良治(株式会社アセットリード 取締役会長)

オリックス信託銀行(現オリックス銀行)元常務。投資用不動産ローンのパイオニア。
現在、数社のコンサルタント顧問と社員のビジネス教育・教養セミナー講師として活躍中。